コーヒーと酒をめぐる
以前細く短く、しかし濃密に営んでいた我が店「モダンタイムス」。この店のサブタイトルは「コーヒーと酒と古本」だった。
地元八千代台。コーヒースタンドはあれどストレートコーヒーを飲めるような本格的な喫茶店は、絶滅状態にある。
そんな中、我が家はコーヒーブームの真っただ中にある。きっかけは妻。妻がなぜ急にコーヒーにのめり込んだのかは不明だが、コーヒーを特集した雑誌を立て続けに買ってきた。それを横目に見ながら私の中のコーヒー熱にも火がついた。こうなると我が家は手がつけられない。普段なら、熱しやすい私を諌める役にある妻も今回は一緒に盛り上がっているのでとことん深みにはまっていくだけである。
コーヒーサーバーもドリッパーもペーパーも手挽きのミルもついでにコーヒーメーカーも更にサイフォンも(物置からひっぱりだせば…)全てそろっている。ないモノはコーヒー豆と(本当はどこかにあるはずの)コーヒーポットだけである。
今回はそれを手に入れる旅に出た。
まず向かったのは吉原パラダイスのほど近く、日本堤にあるカフェ「バッハ」。2000円台で泊まれる宿に挟まれ佇む本格コーヒーの名店である。
座るとすぐに店員さんがコーヒーの説明をしてくれた。一見丸出しだっただろうか。でもその配慮が嬉しい。お薦めの1杯650円のコーヒーと看板メニュー「バッハブレンド」、小腹が空いたのでトーストを注文。やはり一見丸出しか。
店内には挽かれたコーヒー豆の香りとトーストの香ばしい匂いが最高のアロマとなって漂っている。久々に飲むお店の挽きたて淹れたてのコーヒー。やはりしみるようにうまい。家で入れる濃いめのコーヒーが下品に感じてしまう。
帰り際、レジで別の店員さんに「どちらからお出でですか?」と声をかけられ「コーヒー豆の方はいかがですか?」と勧められる。こちらもそのつもりでタイミングをはかっていただけに渡りに船。忙しい中丁寧にいろんな豆の説明をしてもらい、2種類購入。100グラムで安い物でも700円前後するので我が家計的にはやや高めだが、焙煎したてのいい豆もなかなか手に入らないこのご時世、たまにはスーパーでは手に入らないいい豆も家で味わいたい。
本来なら、目と鼻の先にある大好きな酒場「丸千葉」に寄りたいところだが、今日は予定がびっしり。後ろ髪を思いっきり引かれつつ南千住から北千住へ移動。
もう一丁喫茶店へ。飲み屋街の奥にある喫茶「蔵」。
文字通り古い蔵を使った喫茶店。名物ホットサンドと共にコーヒーを頂く。コーヒースタンドチェーンはどこも洋風な感じを受けるのだが、古い喫茶店に入ると昭和の日本を感じる。ここでは帰り際、サービスで千代紙(?)でおられた楊枝入れをもらった。そんな心遣いが嬉しい。
本来なら、北千住の名店「おおはし」の牛煮込みで一杯いきたいところだが、今日は予定がびっしり。だいぶ抜けた後ろ髪を更にひっぱられつつ浅草へ移動。
ちょいと場外馬券場に寄り道して田原町方面へ。明日の朝食。美味しいコーヒーを手に入れたのでそれに合わせて美味しいパンを…、ということで「ペリカンのパン」屋さんへ。着いた3時頃にはほとんど売り切れ状態。それでも食パンと最後のロールパンを運よく手に入れた。
更に歩いてかっぱ橋道具街。妻が切望していた野田琺瑯(ホーロー)製のコーヒーポット。地元のホームセンターでは全くお目にかかれなかったが、さすがかっぱ橋、 最初に入ったお店でいきなり発見。
一応価格調査とばかりに何店か回り、結局最初のお店で購入。雨も降ってきたので循環バス「めぐりん」で脱出。
さて、そろそろバータイム。今日は初訪問のお店へ。御徒町でバスを降り、スーパー「吉池」向かいにある「味の笛」。経営も吉池だったと記憶するが…。1階は立ち飲み、2階は椅子席となっている。階段を上がる途中すでにガヤガヤと賑わった気配を感じる。なんとか席を見つけ早速注文。ここは料金先払い制。カウンターに使い捨ての発砲トレーに乗せられた肴がずらりと並んでいる。私が理想とする「大人の駄菓子屋」を完全に具現化している。あれこれと迷うおじちゃんたち、すっかり子供の表情だ。プラスチックカップに注がれる生ビールは何と250円。300円のマグロぶつとタコ刺し盛り、200円のジャガイモのカレー炒め。焼き鳥も焼き魚もある。それらはもちろん厨房で温めなおしてくれる。のんべいには何とも楽しいお店だ。
せっかくなので立ち飲み「たきおか」へ河岸をかえる。最近新顔の向かいのお店ばかり行っていたのでちょっとご無沙汰気味。やはりこちらの喧騒のほうが落ち着くなぁ…。
最後はイブニングライナーでいつもの缶チューハイ。妻は缶を空け即爆睡。おかげで2本丸まる飲む羽目に…。時間はまだ7時前。酔い覚ましに明朝はいいコーヒーが待っている。







































最近のコメント